競輪が他の競技と違う大きな特徴が「ライン」です。
他の公営競技(オートレース・競艇)は全て個人競技になりますが、競輪では選手同士が複数人連携してラインという集団を組みます。
【ラインを組むメリット】
競輪では最高スピード70km以上のスピードでレースが行われます。
その為、先頭に立つ選手にはものすごい空気抵抗がかかります。
そこで、選手同士でラインという隊列を組むことによって後ろの選手の空気抵抗を減らしているわけです。
また後ろの選手だけが得をするわけではなく、後ろの選手は他のラインが自分たちのラインを追い抜きに来た際には、それをけん制・ブロックするという役割があります。
先頭選手も後ろの選手にもメリットがありラインを組むことになります。
【ラインの選手ごとの役割】
同じレースで同地区や同県の人数にもよりますが、ラインは通常2~3人くらいで組むことが多いです。
先頭選手【自力】
「先行」「捲り(まくり)」と呼ばれる戦略です。
・「先行」とは、そのまま先頭を突っ走ってゴールを目指す戦法。
・「捲り」とは、自分たちの前のラインの選手たちを追い越してゴールを目指す戦法です。
2番目・3番目の選手【追い込み】
ラインの2人目の選手を「番手」と呼び、3番目の選手を「3番手」と呼びます。
・「追い込み」とは、終盤まで他のラインに追い抜かれないようにけん制・ブロックしたりしてラストスパートで自分のラインの先頭選手を追い越して1着を狙う戦法になります。
【ラインの組み方】
ラインの組み方は、基本的に同じ地区でタッグを組みます。
風の抵抗を受ける先頭は、体力のある若手選手が担当になることが多くなります。
後ろにつく牽制・ブロックは格上・年上のベテラン選手が担当になることが多くなり、最後のスパートで追い込みをかけていきます。
ラインに関しては、前日に誰とどのようにラインを組むのかを宣言して、それが各競輪を取り扱っている会社のホームページや新聞などに掲載されることになり、その宣言を破ると選手仲間やそのラインで組んでレースをすると思っているファンからも非難を浴びることになります。
極稀にレース直前で宣言とは違ったラインを組む場合がありますが(ラインの選手が病欠等の理由によってラインが組めなくなった場合など)、選手紹介の際に最終的なラインが発表されるので、車券を購入する前に選手紹介をきちんと確認することが重要です。
※ラインの切り替えはルール上問題ありません
【ラインの選手同士の勝負】
ラインでの役割分担は大体の場合、ラスト1周の4コーナーまでで、そこを過ぎればラインは関係なく全員が1着を目指します。
先頭選手はそのまま先頭にいる優位性を生かして逃げ切りを目指し。
けん制・ブロック担当の選手は、風の抵抗を受けずに走って来た分の体力を活かして先頭選手を追い越しにかかります。
【ラインを知って予想をする】
このようにラインの選手同士で結束してレースを進めていきますので、必然的に着順は同じラインの選手でワンツーフィニッシュや3着まで同じラインの選手という結果になることが多々あります。
各社のホームページや新聞に載っている選手の能力も参考にしながら、そのレースのどのラインが強いラインなのかを分析することが洋装するうえで最も重要な部分であり、競輪を予想する面白みになります。
私が予想するときはラインの強さも重要視しますが、やはり私の地元所属の選手が出ているときは地元選手・地元選手のラインを応援しちゃいます。自分のお気に入りの選手を見つけていくのも競輪の面白みの一つですよ。