結納とは何か?聞いたことはあるけど、どういう儀式?と思われる方は多いと思います。
すばり「新郎家・新婦家ご両家の間で結婚の約束をする。」
ということになります。
プロポーズとは言ってしまえば新郎新婦お2人の間だけでの口約束で、ご結納を交わすことによってお2人だけではなく、ご両家の間で結婚を正式なものとする儀式が「結納の義」となります。
気になる服装に関してはこちら!
正式結納
一昔前は、結婚する男女には職場の上司であったり、ご両親がお世話になっている方のご夫婦の方に【仲人】という形でご結納から結婚式・披露宴までの見届け人をお願いしていました。
正式結納では、仲人がご両家のご自宅を訪問し結納品の取り交わしを行います。なので、ご両家同士は顔を合わせることはありません。
【正式結納・当日の流れ】
①仲人は新郎家を訪問して口上を述べたあと、結納品(注1)を受け取る
②仲人は新婦家を訪問し、口上を述べて新郎家からの結納品を渡したあと、新婦家からの受書(注2)と結納品を受け取って退出する
③仲人は再び新郎家へ戻り、口上を述べて新婦からの受書と結納品を渡したあと、男性側からの受書を受け取って退出する
④仲人は再び新婦家へ戻り、口上を述べて新郎家からの受書を渡す
※新郎が新婦家へ嫁ぐのであれば逆になります。
(注1)結納品…9品目が全国的にメインの品目数になりますが、5品目や13品目まで地域や準備する家によって様々です。
(注2)受書…結納品の中には、大体「目録(結納品の内容が記載してあるもの)」が入っています。受書とは目録の内容のものを受け取りました。という領収書のようなものだと思ってください。
【結納品の注意点】
結納品・受書はそれぞれご両家で準備するものですが、前述したように地域によって品目が様々です。
その為、地域が違う方同士のご結納であれば、受書を用意する方のお家は事前に相手が何品目の結納品を用意するのか?また品目は何なのか?を把握しておく必要がありますので、確認を忘れないようにしましょう。
仲人がいれば、そういう段取りも行っていただけると思いますが、いない場合は結納品を用意する方のお家に依頼して受書も用意してもらうのも良いかと思います。
正式結納についてご紹介しましたが、最近ではご結納から結婚式終了までという長期間の仲人の方の負担やご両家の負担から、仲人を依頼すること自体がほとんど無くなりました。
私も10年プランナーをやっていて、正式結納をやった新郎新婦にはついに1度も会うことが出来ませんでした。一度は現場で拝見したかったです。私自身も略式結納でした。
略式結納
今現在では正式結納式を行う方はかなり少なく、結納を行う場合略式結納式を行う方が主流になっています。
まず、略式結納式では両家の間を仲人が行き来するという事はなく、料亭やレストラン・結婚式場で行うことが多くなっています。
私がプランナーをやっていた時の経験から言えば、料亭やレストランで行う場合に困るのが準備と進行役です。時間よりも早く現場へ行き、慣れない結納品の組み立てを行うことになりますし、進行役が居ないので新郎新婦で進行していくことが多くなります。しかし式場で行う場合ですと、結納品のセッティングから進行までお手伝いしてくれるプランもある式場多いですし、結納式中も何かあればフォローしてくれると思います。
【略式結納・当日の流れ】
①会場セッティング
- 図のように上座に新郎側が座ります。(入口が中央なので新郎家は右側になります。入口が中央でなければ入口より遠い方が上座座となります。)
- 和室の場合は床の間、洋室の場合はクロスを引いたテーブルの上に結納品を飾ります。(飾り方は地域による違いがあります。)
- 先に男性側が入り結納品を飾り付け、一旦退出して準備が整った旨報告した後、再度新郎家より入室し、その後に新婦家が入室します。
- 図は新郎家へ新婦家が嫁ぐ場合となり、新郎が嫁ぐ際は逆になります。
【結納の儀】
最近では仲人が立つことは少ないので、進行は新郎父もしくは新郎が行うのが一般的となってきております。私が担当させて頂いたご結納では、プランナーに進行を依頼しない場合は挨拶は新郎父、結納品と受書の受け渡しは新郎新婦本人が進行したケースが多かったので、そちらの挨拶・口上をご紹介いたします。
挨拶
新郎父「この度は、○○様と私共の△△の縁談をご承諾くださいまして、ありがとうございます。本日はお日柄もよろしいので、婚約の義を執り行わせて頂きます。どうぞ、よろしくお願いいたします。」
※この時のお日柄とは、天気のことではなく【六輝表】と呼ばれるもののことになります。カレンダーで見たことがあるかと思いますが六輝とは、
【大安】【友引】【先勝】【赤口】【先負】【仏滅】
と呼ばれ冠婚葬祭の儀式などでは、良く結びつけられて使用されています。
結納品・受書の受け渡し
新郎「○○家からの結納の品でございます。幾久しくお納めください。」
新婦「ありがとうございます。幾久しくお納めいたします。」
新婦「△△家からの受書でございます。どうぞ幾久しくお納めください。」
新郎「ありがとうございます。幾久しくお納めいたします。」
ここまでがオーソドックスな向上になります。
結納返しがある場合やそれに対して受書を用意する場合には、上記口上に続き受け渡しを行います。
締めの挨拶
新郎父「本日はどうもありがとうございました。おかげさまで無事に結納を収めることが出来ました。今後ともよろしくお願いいたします。」
新婦父「こちらこそありがとうございました。今後とも末永くお願いいたします。」
締めの挨拶が終わりましたら、せっかくの記念なので結納品を前に両家の集合写真や新郎新婦の記念撮影を行いましょう。
さてご両家のみで行う略式結納をご紹介させた頂きましたが、結納なんて何回も経験することではないし、慣れない中で相手の両親の前で口上を述べるのはストレスになるかも知れません。
結婚式場で行う場合ですと、プランナーはもちろん会場内スタッフもしきたりを分かってますので、どちらが主催で誰から料理やドリンクを提供すれば失礼がないのか。という部分はもちろん、プランナーが進行役を行ってくれることもあると思います。口上を忘れてしまっても進行役が上手くフォローしてくれると思います。
式場によっては、結納のプランを用意しているところも多いので、そちらも参考にしてみるのも良いかと思います。